彼女は、私に教えてくれた。
「じゃあ、今夜、遊びに行ってもいいですか。」
と、気の利いた冗談を言うのが、モテる男ではないかと思うのだが、私の場合、
「近いですね。」
と、当たり前の感想を言う。
私は、ロマンスとは無縁の男という設定である。(現実ともいう)
念のため事前にお断りしておくと、これは、ロマンスの話ではなく仕事の話である。
取引先の彼女は、仕事も早くフットワークも軽い。いわゆるデキる人。
同年代という事もあり接しやすく、大変頼れる存在である。
デキる人は、能力が高いこともあるが、実際に話をしてみると能力よりも際立つのが仕事への姿勢にあると感じる。
まず、環境からこだわる。先の自宅と職場の距離もそのひとつである。
このような話ができる人は、世間を見ても大変少ないので、私も会話をしながら刺激を受けている。
東京の一角にて |
場所は、港区赤坂。家主は香港のファンド。
マンションで、ワンルーム25㎡が、家賃13.5万円であった。
職場から多少の家賃補助が出たものの、今考えれば馬鹿げた家賃である。
引っ越しのキッカケは、タクシー代だった。
当時、リーマンショック後の大不況。当然、不動産売買の現場には殺気すら漂っていた。営業時間が終われば、資料作成、見込み客整理と深夜2時頃まで続き、タクシーで毎度3千円がかかる。
そうなると毎度の支払いよりも、高額な家賃の方が安く感じるのである。
仕事は、攻める事でモチベーションが上がる。営業の場合は気持ちひとつで成績が変わる。
偶然にも私は、市況の悪いにも関わらずトップセールスなったので所得も待遇も良くなった。
しかし、赤坂に住んでいると、目の前が飲み屋街であるから、自然の流れで人が泊まる。泥酔した同僚が泊まる。
ある日、目が覚めたら同じベッドで目と鼻の先に同僚の男が寝ていた。
当然に、身も蓋もない噂が流れる。
私は引っ越しを決めた。
私にとって不動産とは、時に幸運を引き寄せ、時にイタズラなものだ。
そして、常にロマンスとは縁のない私生活なのである。
さて、そもそも何の話だったろうか。
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●わたなべ日報● 発行人:渡辺章好
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