不労所得への招待状~プロに学ぶアッと驚く不動産投資 コンサルティングデスク通信
2013年 8月 29日(第694号)より
連載「不動産投資の歩き方」
第5回 優良物件が生まれるまで
さて、前回から流通している不動産には、不明確な利益が乗った物がある事をご紹介致しました。
業者の営業社員や紹介者に支払うインセンティブが大きいと、実際は市場より利回りが低い物件を購入する事になります。
また、巧みな営業を受けると冷静さを欠いた決断を無意識のうちにする事になり、それをきっかけに、物件を「投資」ではなく「購入」した方はたくさんいらっしゃいます。
そもそも、投資用の不動産はどのように流通しているか、今一度おさらいしてみましょう。インターネットで探せば世界中から、日本全国の物件情報が入手できます。
まず、区分所有物件、いわゆるワンルームマンションを代表とする物件は、デベロッパーが開発し販売された物がほとんどです。
元デベロッパーに勤めていた私の経験からですと、新築物件には売買価格の3割前後の利益がのっています。暴利のように感じる方が多いかと思いますが、土地の仕入れから建築、販売までの人件費等の経費、プロジェクトローンなどの借り入れに対する、利息払い。
さらに完成後の返済資金を含めると、完成後の売り残しは、会社の生命線に係わります。モデルルームや、広告、自社営業、他社委託への販売インセンティブに大きく予算を割く必要があるのです。
まず、その物件を誰かが購入するのです。超一等地は別として、都心の物件ですとおそらく、相場のわからない地方の方が半分以上ではないでしょうか。
そのうち、高利息、自己資金もほとんど入れずに、融資を組んだ方のCF(キャシュフロー)が悪化して行きます。その赤字の資金繰りが出来なくなった方は、任意売却、もしくは破産して競売にかけられる。
つぎに、簡易のシミュレーションを信じて購入した方は、計画の狂いに騙されたとばかりに不安になり、市場価格と購入価格の数百万単位の多額の差額を埋めて売却する。
他に、電話や手紙で、物件や不動産投資についての悪評に不安を煽られ、熱心な売却の勧めに手放す方も多いです。このような行為をする業者を物上げ業者と呼びます。
背中を押されて購入した方は、同じく背中を押されて売却するという流れでしょうか。
こうして、築浅投資物件として、中古市場デビューするのです。ここで、購入する投資家も新築より安いからと、融資を使って購入する人が多いでしょう。
築10年もすると、賃料下落から修繕積立金の値上げが始まり、CFの悪化などをきっかけに、また二巡、三巡と人の手を渡っていきます。
多くの物件がここで、価格が下がっていくのです。
●わたなべ日報● 発行人:渡辺章好
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